体験する仏教  

ずっと、ずっと求めていたブッダの智慧

2022-01-01から1年間の記事一覧

少年には「成仏」をすぐには勧められませんので・・・。

かつて、勤務していた高校でわたしが開講していた、一般市民対象の公開講座名は「教養としての仏教」。受講生の平均年齢は六十代半ばを超えていたのではないかと思います。 中には九十歳に近い受講生もいらして、親しい同僚は「講座の期間中にお浄土に旅立た…

澄んだ真っ直ぐな祈り

教員時代、担任をしているクラスに、大学を目指していながら受験勉強に集中できない女子生徒がいました。 「自分が志望校に受かれば、一人が落ちる。競争して人を蹴落としてまで合格したくはない」そのような思いが勉強への意欲を削いでいたのでした。彼女は…

土地の神々

N君の背後の霊から、久しぶりに、N君とわたしにメッセージが届きました。 「背後の霊からのメッセージ? なにそれ。可笑しな話をしないで」そんな声が聞こえてきそうです。 N君は、教育委員会から任命された指導主事。専門の学問分野でも実績を挙げ、二児…

死後も人は生き続けます。しかし・・・

現代の多くの知識人は、死後は無となることを前提として人生を語っています。日本の仏教界には、この前提で法を説いている僧侶がたくさんいます。本気で死後の生を信じている僧侶は、果たしてどれくらいいるのでしょうか。 故人ですが、曹洞宗大学林(現駒澤…

ほんとにあった怖い話

子どものころ、楳図かずおのホラー漫画を歯科医院の待合室で震えながら読んだ記憶があります。タイトルは、たしか「ミイラ先生」だったかと思います。とにかく怖かったのを覚えています。 最近はホラー漫画も進化(?)して、創作ではなく、実話系の怖い話が…

保護された犬・猫の供養をすることになりました

昨日のことです。東横線自由が丘駅の近くで、NPO法人いぬねこプロジェクトさんが募金活動を行っていました。募金をすると、「保護猫配信中」と記されたパンフレットをくれました。里親を希望するする人のための電話番号が載っています。 さっそく、電話をし…

あなた自身を供養する

「お釈迦さまは、生きている人のために教えを説いたのですよね。でも日本の仏教は、葬儀・法要での供養が中心です。これっておかしいんじゃないですか」 そう問われたことがあります。 お寺に対人関係の悩みがあって相談にやってきた若者に、住職が「わしゃ…

ぜひ知っておきたいお地蔵さまの話

hanasi hanasi お地蔵さまを知らない日本人というのは、まずいないでしょう。都心部でも街中にお地蔵様が祀られていることがあります。 家内安全や病気平癒などを祈るべきではないお地蔵さまが、身近に在るのを御存じですか。 冒頭の写真は、拙宅の近くに祀…

見捨てられたペットの供養

以前、多くの白い日本犬を動物愛護センターで保護しているという話を聞いたことがあります。テレビのCMに登場する「白いお父さん犬」の影響だとのことでした。 子どもに「あの白い犬と同じような犬が欲しい」とせがまれて、親が買ってやったところ、「この犬…

物語から目覚める・その2

日本では昔、補陀落渡海(ふだらくとかい)というものが行われていました。補陀落とは、遥か彼方の南海にあるとされる観世音菩薩の浄土。そこに向かって大海原に小船を漕ぎ出すのが補陀落渡海です。生還する可能性はまずない旅立ちです。 南に海が開けている…

物語から目覚める・その1

アメリカの保守勢力の強い地域では、ダーウィンの進化論を理科の授業で教えていません。それは、旧約聖書に記述されている「神による天地創造」は物語ではなく真実であり、進化論は誤りであると見なされているからです。これは、過去ではなく現代の話です。 …

囚われから解放されるために

十代のころの話です。 文具店のコピー機でコピーを取ろうとしていると、四、五十代と思われる店のおばちゃんが「取ってあげるわよ」と言うので、B4の歴史資料十枚ほどを手渡しました。 すると、おばちゃんは、指に唾(つば)をつけて、「一枚、二枚・・・」…

秋のお彼岸に体験したこと

秋分の日は国民の祝日です。「国民の祝日に関する法律」には、各祝日の主旨が定められていますが、「秋分の日の主旨は?」と問われて答えられる人は、ほとんどいないのではないでしょうか。 「先祖を敬い、亡くなった人をしのぶ」。これが、法律で定められた…

世界は深遠で豊かだなあ

知人からこんな話を聞きました。 旅先でホテルに宿泊し、部屋に入ると、部屋の片隅に何かが、うずくまっている気配がするんです。暑い日であったのに寒気がしました。どうしてもその部屋で眠る気がしなくて・・・。ホテルのフロントでそう伝えると、ホテルマ…

24時間祈れますか

「24時間戦えますか」。バブル全盛期、テレビでよく耳にした栄養ドリンクのCMのフレーズです。当時は「企業戦士」という言葉もよく聞きました、 今、「24時間戦える企業戦士を求めます」という求人広告を出す企業があったら、ブラック企業と言われ、批判にさ…

サッカー少年の「南無妙法蓮華経」

先日、中学二年生になるサッカー少年、ガクトとお題目を唱えました。彼とは以前にも一緒に唱題したことがありますが、彼と対座して唱題をしていると、いつも彼の唱える「南無妙法蓮華経」に清々しさを感じます。 「南無妙法蓮華経」は誰が唱えても「南無妙法…

欲求の段階

アメリカの心理学者、アブラハム・マズローは、人間の欲求を次のような五段階の構造 で表しました(図では、第一段階を基底とするピラミッドになっています)。 ①生理的欲求=食欲、睡眠欲、排泄欲など。 ②安全欲求=身も心も共に健康で、経済的にも安定した…

過去世と来世を視野に入れて、諸天善神の応援を得て現世を生きたいと思います。

当病平癒、経済繁栄、家内安全、身体健全・・・。様々な現世利益を求めて、人は神仏に祈ります。 半来、釈尊の教えは、このような現世利益を得るためのものではありませんでした。釈尊の求めたのは、仏身を成就すること、言い換えれば本来の自己に目覚めるこ…

キリスト教の神と仏教の仏は違います

キリスト教の唯一神は、天地を創造した神です。『法華経』の後半に登場する久遠実成の本仏(永遠のブッダ)は、このキリスト教の全知全能の神と同様のものかと言えば、そうではありません。 神様と言えば、白いひげを生やして杖を持ったお爺さんを思い浮かべ…

神様になった武将

神社には、人が神様として祀られていることがあります。乃木神社の御祭神は乃木希典陸軍大将、東郷神社の御祭神は東郷平八郎元帥海軍大将です。東郷元帥は、神道の神となりましたが、篤信の法華経の信仰者でもありました。 この両者は近代の軍人ですが、安土…

今生を生きる

「来世があります」。そう言うと、こんな疑問が寄せられることがあります。 ,「来世があるという前提で生きていると、困難に出会った時、「来世で頑張ればいいや」と思って、一所懸命生きることから逃避してしまうことになりませんか」。 実はそうではありま…

葬儀に出仕してきました

今日は、お世話になっている横浜・蓮馨寺の葬儀に出仕してきました。故人は96歳の女性で、法華経を篤く信じていた方でした。 90歳を超えてもお元気であったとのことです。ご遺族は悲嘆に暮れるといったご様子ではなく、穏やかに故人を見送られたように感じま…

言葉を超える

「海外異文化体験」で夏休みに、生徒を引率してオーストラリアの高校に行き、研修したことが何回かあります。普通は校長が団長になるのですが、ある年、校長に所用ができて、私が団長となったことがありました。 団長は、全校生徒や教員の前でスピーチをする…

仏教の森に迷う

初心のころ、「仏教の森は深く、用心して足を踏み入れないと、道に迷うことになるぞ」と先輩の仏道修行者から言われたことがあります。 本当に、わたしは道に迷いました。初期仏教の教えに出会って、日本仏教の教えとの違いの大きさに戸惑い、日本仏教の世界…

教員をしながら仏道修行をしていました

高校の国語科教員をしていたころ、宮沢賢治の詩を教えていた若い男性教員から「『法華経』について教えてください」と言われたことがあります。賢治と『法華経』は切っても切れない関係にあります。現代文学をそうですが、特に日本の古典文学と仏教は深い関…

墓前法要を営んできました。

今日は、横浜の拙宅から埼玉県、川越の霊園まで四十九日と納骨の法要に電車で赴きました。 夏用の僧衣は涼しそうに見えますが、実はそうでもありません。 暑さが幾分和らいだ日で助かりましたが、太陽が照りつける夏の日の墓前法要は、高齢のご遺族や僧侶に…

教育的洗脳

教員時代のことです。おそろいの緑色のTシャツを着て、一緒に声を張り上げて、子どもたちのバレーボールの試合を応援しているお母さんたちを見て、同僚がこう言いました。 「まるで宗教みたいだな」 何の疑問も抱かず、皆で同一の行動を取る不気味さ。同僚は…

宗教・支配と依存の関係

安倍元首相の銃撃事件を受けて、カルトやマインドコントロールが今、話題になっています。立正大学の西田公昭教授はこう言います。 人生には悩みや不安はつきもの。誰でも何か超越的な存在の力を信じたがる気持ちになりやすいときがあります。 そんなとき、…

自己とあの世の魂の供養

「供養」という言葉を知らない人はいないでしょう。ですが「供養って何?」と訊かれて、明確に説明できる人は少ないのではないでしょうか。供養とは仏さまへの帰依と感謝の思いを表す行為です。 供養には、利(り)供養、敬(きょう)供養 行(ぎょう)供養…

埋葬文化とあの世の真実

一昨年亡くなった我が家の愛犬は、庭の片隅に深く穴を掘って葬りました。人間はそうはいきません。役所から埋葬許可証を得て、法的に定められた墓地に埋葬しなければなりません。人骨を遺棄したり、庭に埋めたりしたら、法的に罰せられます。 時々、電車の中…