体験する仏教  

ずっと、ずっと求めていたブッダの智慧

憑依の実態

f:id:kasinoki1957:20211224204011j:plain

前回「たましいの供養の実際・その1」という記事を掲載しましたが、「その2」を記す前に前に、「憑依」について、お伝えしておくことにします。

死は「夢も見ない永遠の眠り」ではありません。死後、高い世界に上っていく霊もあれば、上がっていけない未浄化な霊もいます。このことを明確にした上で、さらに「たましいの供養の実際」について記したいと思います。

憑依とは、未浄化な霊が人間の中に不法侵入してくることを言います。肉体を完全に占拠されてしまう完全憑依は、そうあることではありませんが、小さな憑依は誰もが経験しています。

わたしたちは、無意識のうちに日常さまざまな霊の関与を受けています。まず、このことをしっかりと認識していただければと思います。

特に理由もないのに、落ち込んだり、イライラしたりするなど、気持ちが不安定になっている時、或いは普段は凝らない肩がひどく凝るなど、突然、体調に不調を感じた時は、憑依された可能性があります。

霊媒体質者(霊的感受性が鋭敏な人)は、繁華街の人込みに出かけた後、異常な疲れを感じることがあります。これは生きている人間の濁った想念を受けてしまったということもありますが、憑依が大きな理由です。

死んだことが自覚できず、死んだ場所にうずくまっている霊や、この世をさまよっている霊に憑依されることは珍しいことではありません。

酒が飲みたい、性欲を満たしたいといった執着を持った霊がその欲望を満たそうとして憑依することもあります。

死後も恨みや妬みを持ち続けている霊が、その対象者に災いをもたらそうとして憑依することもあります。

近年では「ネット憑依」もあります。ネットで遠方の人とも簡単につながることのできる時代となりましたが、ネットで交流した人に憑依している霊とつながってしまうこともあるのです。

ネットで誹謗中傷を繰り返している人は、小さな憑依を受けていると言ってよいでしょう。憑依を避ける意味でも、子どもがネガティブなサイトを閲覧しないようにする配慮はとても重要です。

さて、憑依をされないために、どうしたらよいのでしょうか。入浴してシャワーを浴び、身体を清潔に保つとか、規律ある生活をするといったことは大切です。霊は暗いじめじめした場所を好みますので、そのような場所に近づかないようにするのも大切です

ですが、まず何よりも大切なのは、前向きで明るい心境を保つことです。「類は友を呼ぶ」と言います。前向きにイキイキと生きている人に、未浄化霊は憑依し続けることはできません。

「憑依霊って怖い!」と言う人には、わたしはこう言います。

「わたし自身もそうですが、あなた自身が、死後、憑依霊になる可能性もあるのですよ。そのことに気づいていましたか」

また、このようにもお話します。

「憑依を怖がる必要はありません。みずからの心境を高める努力を怠らなければ大丈夫。憑依を受けないための本質的な対策はこれのみ。後の対策は枝葉です。この努力をしていれば、あなたが死後、憑依霊になることもありません」

心境を高める努力というのは、前向きにイキイキと生きるということに併せて、他者を憎んだり妬んだりせず、慈しみの心を持って他者と向き合うように心がけるということです。

このように言うと「それが難しいのですよ」という答えが返ってくることがあります。あなたも、そう思うかもしれません。ですが、安心してください。おのずと心境が高まっていく、誰にでもできる仏教の修行法があるのです。それが唱題(南無妙法蓮華経を唱えること)です。

次回は、あなたに憑いた未浄化霊が、あなたが計らわずとも浄化していく、本物の唱題についてお伝えします。