体験する仏教  

ずっと、ずっと求めていたブッダの智慧

ほんとにあった怖い話

子どものころ、楳図かずおのホラー漫画を歯科医院の待合室で震えながら読んだ記憶があります。タイトルは、たしか「ミイラ先生」だったかと思います。とにかく怖かったのを覚えています。

最近はホラー漫画も進化(?)して、創作ではなく、実話系の怖い話が中心になっています。奇数月発行の実話系ホラー漫画雑誌に『HONKOWA』(ほんとにあった怖い話)と『実際にあった怖い話』があります。わたしは、この両誌をときどき買います。

両誌とも表紙にいつも人形の写真が載っているのですが、これを見ただけで恐怖感が募ります。読者の中心は若い女性でしょう。60代の爺さんが買うことはまずない雑誌でしょうが、恥じらうことなく書店でこの雑誌を購入しています。

わたしは、気に入っている喫茶店でブログの記事を書くことがあります。先日はそこで『実際にあった怖い話』を開いたたのですが、開く前、さすがに少々のためらいを覚えました。喫茶店でホラー漫画雑誌を真剣に読んでいる坊主頭の老人そのものがホラーであったかもしれません。

インターネット上にも怪談実話が溢れています。「ほんとにあった」とか「実話」とか銘打ってあっても、実際には創作だろうと思う人もいるでしょう。ですが、僧侶としてたましいの供養をしているわたしは、興味深い実話が収集できる場であると思っています。

たしかにそれぞれの話には脚色がほどこされている部分があるかもしれません。ですがそれらを、荒唐無稽な作り話、思い込み、あるいは病んだ心が生み出したものと、断定はできないと、わたしは考えています。

教員時代、霊が視えるという生徒、後輩の教員、校長に出会ってきました。彼ら、彼女たちは、みな真面目な人物で、健全な心の持ち主でした。

知識人の多くは「霊など存在しない。死後は無となる」という前提で人生を語っています。ですが、わたしは、仏道修行をした結果、身をもって死後の生、霊の実在を感じるようになりました。

わたしがホラー漫画を読むのは、恐怖を感じて楽しみたいからではありません。人間の本質は霊であるという認識に立って、自己も含めて、人はどのように在るべきか、生きるべきかを考究するためです。

心霊写真を見て「キャー、怖い!」と騒いでる女子高生に「他人事ではないよ。君だって死後、浄化できないで心霊写真に写る可能性があるのだよ」と言ったことがあります。

人の本質は霊である。人は死なない。このことを知って、みずからのたましいの向上を図っていくことが、だれにとっても重要なことである。そうわたしは考え、僧侶として活動しています。