体験する仏教  

ずっと、ずっと求めていたブッダの智慧

たましいの私塾 その1

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私塾を開いています。

というと、わたしはは高校の教員であったので「学習塾を開いているのかな」と思う人もいるでしょう。ですがそうではありません。仏教塾です。

塾の名は、香風塾。「香風」は法華経中にある言葉です。浮世の塵(ちり)を仏法の風で払い、香(かぐわ)しい薫(かお)りに満ちた世をつくりたい。そのような思いで名づけました。

明治維新前、新しい時代の到来に向けて、吉田松陰松下村塾を開き、そこには次の時代を担う若者たちが多く集まりしたました(写真は松下村塾です)。

わたしは、新しい霊性の時代をつくるために、仏教の真髄を若者たちに伝えたいと願っています。そこで、松陰先生にならって私塾を開いたのですが・・・。塾生のすべては高齢者。塾長のわたしは、どのメンバーよりも、はるかに若いという状況です。

開塾の前に、わたしは心中で松陰先生に「教員を辞めて、これからは若者の、たましいの教育に取り組みます」と誓いました。松陰先生はあの世から、高齢者と向き合っているわたしを見て、苦笑されていることでしょう。

しかし、これも大切なことです。死を間近にした人たちが平安を得るために、仏教は大きな力になります。

塾生はわたしにとって人生の大先輩です。わたしの話に塾生から感想や意見が寄せられ、談論風発、充実した時間を過ごしています。お年寄りが元気なのは、まことに嬉しいことです。

わたしは、かつて勤務校で、一般市民を対象とした「教養としての仏教」という名の公開講座を開いていました。教え子の高校生や若者も受講することができたのですが、仏教に興味を持つ高校生や若者は、まったくと言ってよいほどいませんでした。

ですが、たったひとりだけ、熱心に講座を受講した二十代の教え子がいました。

彼は、海外青年協力隊の一員として海外に赴いた際、現地の人から「オマエの宗教は何か」と訊かれれ、「仏教だ」と答えたのよいのですが、「それはどのような宗教か」と問われ、しどろもどろになったそうです。この苦い経験から、彼は仏教についてしっかりと学ぼうと思い立ったのです。

ちなみに海外で信仰する宗教を訊かれた際、「無宗教です」と答えると、非道徳的な信頼できない人間だと思われることが往々にしてあるようです。

多くの若者の目には、諸行無常や、四苦八苦を説く仏教は辛気臭いものに映っているのでしょう。これは、仏教が葬儀と深く結びついていることもその大きな理由の一つかもしれません

わたしは、この誤解を解いていきたいと思っています。あらゆる囚われからの解放を説くのが仏教です。仏教は苦を超えて自在に生きる道を説いているのです。

それでもスポーツや音楽を楽しみ、恋愛の最中にある若者は、「自分には仏教は無縁だ」と思うかもしれません。ですが、いじめや人間関係に悩んだり、失恋したときに仏教は大きな力になります。

また、環境破壊や、これからの社会経済について考えるにあたっても、仏教の智慧は大いに役立ちます。

香風塾はいつでも塾生を募集しています。募集要項も入塾案内もありませんが、関心のある方はお問合せください。