体験する仏教  

ずっと、ずっと求めていたブッダの智慧

福音喫茶メリー -開かれた心で歩みたい-

横浜・野毛にある仏具店に行った帰り道、近くにある福音喫茶メリーに足を向けました。50年以上の歴史を持つお店で、前々から一度、訪ねてみたいと思っていた喫茶店です。

ですが残念なことに営業時間外で入店できませんでした(営業時間は夜の7時から11時まで。定休日は日曜のようです)。

キリスト者が集う喫茶店ですが、信徒外にも広く扉が開かれています。とはいっても「喉が渇いたからジュースを飲んで休んでいこう」といった感じの喫茶店ではなく、ちょっと入りづらいかもしれません。

僧侶が仏具店を訪ねた帰路に福音喫茶に寄る。「エッ、何で・・・」と思われた読者もいらっしゃるかもしれませんね。でも、わたしは、これを奇異なことだと思っていません。

自己の世界に閉じ籠るのではなく、宗教者は他の信仰を持つ人とも対話することも大切なのではないかと思っています。これは宗教がカルト化しないために必要なことであるとも感じています。

わたしは、『法華経』には『新約聖書』の薫りがすると感じてきました。

法華経如来寿量品第十六』には、「(永遠のブッダに対して)皆、恋慕を懐いて渇仰の心を生ず」、「一心に仏を見たてまつらんと欲して、自ら身命を惜しまず」と記されています。これは、キリスト者がイエスを慕う心と相通じるものがあるのではないかと感じています。

福音喫茶に入って「実はわたし、仏教の僧侶なんです」と言えるかどうか分かりませんが、真摯にバイブルの話に耳を傾けてみたいという思いがあります。

福音喫茶メリーは、スナックやバー、小料理屋が軒を並べる、横浜の下町にあります。ハイソな雰囲気の山の手にあるわけではありません。

それゆえに、そこには荘厳な教会や聖職者の権威から離れて、たとえ貧しくとも純粋に神と向き合っている人がいるような気がします(わたしの勝手な思い込みかもしれませんが)。

開かれた心をもって、一僧侶、修行者として道を歩んで行きたいと思っています。