体験する仏教  

ずっと、ずっと求めていたブッダの智慧

自我と向き合う修行

最近、社会的に発言力のある方が、拙文を読んで、直接にわたしに向かってはありませんが「小島は、ありもしない事象をあると思い込んでいる」と決めつけて、わたしを批判していました。 批判された事象は、明確なエビデンスがある事象ですので、決めつけた方…

決めつけない力・その2

「輪廻とか、カルマ論とか、近代化の文脈の中ではすでに過去に属するものとして否定されなくてはならないもの」 これは禅僧、藤田一照師の『仏教サイコロジー』(サンガ刊)中の言葉です。藤田師は、霊魂の存在を否定しているといってよいでしょう。 いっぽ…

決めつけない力

「霊が視えるんです」などと言うと、ほとんどの場合「 バカなことを言うもんじゃないよ」とたしなめられるか「どこか、おかしいんじゃないの」と心配されるかのどちらかでしょう。「危ないヤツだ」と遠ざけられることもあるかもしれません。 多くの人は「霊…

全身全霊、命がけのお題目

わたしの修行の師、斉藤大法上人の唱える南無妙法蓮華経は、腹の底から涌き上がってくるお題目、御仏(みほとけ)の慈悲なるいのちが涌出(ゆじゅつ)してくるようなお題目です。 「どうしたらこのような深いお題目が唱えられるようになれるのか」という、わ…

自我の壁を超える

「南無妙法蓮華経」をひたすら唱える唱題行の道を歩み始めると、ぶつかるのが自我(エゴ)の壁です。唱題行以外の仏道修行をしていても、自我は道の前に立ちはだかる壁となるでしょう。 自分を他者と比べて、劣等感を感じたり優越感を覚えたりするのが自我で…

桜を見てきました

今日は彼岸明けですが、実家の墓参りを妻とし、その後、皇居のお堀端を散策しながら桜を見てきました。 2枚の写真は、今日の千鳥ヶ淵の桜です。 若いころは桜が咲くのが待ち遠しいと思うことなど、まったくありませんでした。それが40歳を過ぎたころから、三…

春季彼岸会でのこと

昨日は、お彼岸の中日。横浜、平楽山 蓮馨寺の春季彼岸会に出仕しました。式衆は、わたしを含めて三人。 導師(ご住職)と式衆で唱える声明は、厳かな雰囲気を醸し出しました。ですが昨日の法会(ほうえ)は、コロナの蔓延防止で、参列者はお寺の役員さんの…

死後はどうなるの?

わたしは日本人ですが顔は中国系のようです。中国人から同胞だと誤解されて、中国語で声を掛けられたことがあります。 二十代のころ、知人の住む、日本語教室が入っているマンションを訪ねた折、エレベータの中で住人のおばさんから、「日本語、難しいでしょ…

「間違いないっ!」にご用心 ーカルトの罠にハマらないためにー

「間違いないっ!」という決まり文句で一躍有名になった芸人さんがいました。 「お笑い」でこう言うのはよいとして、この言葉は、宗教家やカウンセラーなど、心を癒す活動、仕事をしている人は安易に使ってはいけない言葉であると思います。 「あなたは○○で…

カルト問題で言及されていないこと・その2

「カルト問題で言及されていないこと・その1」で、霊力というものは思い込み、迷信といったものではなく実在すると記しました。ですが、まがいものの霊力もあります。この点についての注意も必要です。 祈祷性精神病という病があります。加持祈祷などによっ…

カルト問題で言及されていないこと その1

阿倍晋三元首相銃撃事件が発生した後、にわかにカルトが大きな問題として浮上しました。 宗教を扱う「心の時代」というNHKの番組があります。そこではカルト問題についての緊急番組が放映され、カルト問題に詳しい6名の識者による討論が行われました(この番…

語ることのない対話

カルト宗教とそうではない宗教を分かつもの。それは対話だと思っています。その宗教の外側の人との対話がないのがカルト宗教であると感じています。 わたしは、自らの修行体験から、死後の個性の存続、すなわち死後も人は生きているということを認識していま…

悲しみの力

写真は、我が法華道場に掛けられてある、梅谷彩雲先生の書「常懐悲感 心遂醒悟」です。 「法華経・如来寿量品第十六」の中の言葉で、「常に悲感を懐いて 心遂に醒悟す」と訓読します。 「あなたの懐(いだ)いている、その悲しみによって、あなたは真実に至…

「瀧の宴」に行って来ました

浅草の日蓮宗寺院・壽仙院で行われた、芸術家達による和文化イベント「瀧の宴」に行って来ました。 書家でもある法友、梅谷拓宣(号・虹嶺庵 彩雲)上人が観衆の前で、軸に書を揮毫するパフォーマンスを見るのが目的でしたが、終了後の懇親会では複数の素敵…

無為にして為す

無為にして為す。この老子の言葉が、今、胸に響いています。 わたしは、仏道を歩む傍ら、心身の修養法としての呼吸法にも興味を持ち、さまざまな呼吸法を実践してきました。 息を吸ったら、しばらく止めて、その間、自分にとって理想的な状況をイメージする…

寺院消滅?

我が国における人口減少の影響は、さまざまな業界、分野に及んでいます。寺院も例外ではありません。 『未来の年表・業界大変化』(講談社現代新書)には「多死社会なのに寺院消滅」という項目があります。 特に人口が減少している過疎地域では、廃寺になる…

祈りを深めています

「祈祷」とは「神仏に祈ること」ですが、一般の人が「祈る」ことは、普通「祈祷する」とは言いません。祈祷は宗教的な職能に就いている行者が為す「祈り」と言ってよいでしょう。 「祈祷」を特に密教では「加持」と言いいます。加持とは仏と行者の行為が一体…

過激な新宗教に勧誘されたら・・・

最近は、お寺にまで布教に来る仏教系の新宗教の信者がいます。キリスト教系の新宗教の信者が寺院にやってくることはないと思いますが。 我が法華道場は、立派なお堂ではなく、ごく普通の家屋ですので、法華経を学ぶ場だと知っても、聖書を携えたご婦人が訪れ…

ご祈祷について思うこと

日蓮宗には荒行という、僧侶が行う百箇日の修行があります。この行は、千葉、中山の大本山・法華経寺内にある、一般に「大荒行堂」と呼ばれる場所で修されます。 毎年、紅葉の時期、11月の1日に入行し、梅の花が見ごろとなる2月の今日、11日に成満(成就)…

御霊(みたま)抜きに行ってきました

以前に古都の寺院で出会って感動した仏像を博物館の仏像展で拝観しら、同じ仏像なのにまったく違った印象を受け、感動しなかった。そんなことがあります。それは仏像を寺院から博物館に移す際に御霊抜きをするからです(仏像が寺院に戻ったら、また御霊に入…

デクノボーになりたい

外出して帰宅した妻から「あなた、日が暮れているのに洗濯物、庭に干しっぱなしよ」、「今日も、ゴミ箱を取りに行くの忘れたの」と叱られるのは日常茶飯事。昔は、物忘れすることは、ほとんどなかったのですが。 妻に叱られたわたしは、宮沢賢治の「雨にも負…

切り離されてしまった世界

都心部の高層マンションの上階に住む知人の家に遊びに行ったことがあります。 リビングの家具は白と黒で統一され、いかにも都会のマンションの部屋といったオシャレな感じで、窓から見える夜景の美しさに感動しました。 ですがなぜか落ち着きません。 黒いソ…

現実に立ち向かう祈り

夫から暴力を振るわれている女性から、「お題目(南無妙法蓮華経)を唱えてさえいれば平和な生活を取り戻すことができるでしょうか」と問われたことがあります。 わたしは「ハイ」とは答えませんでした。「ハイ、唱えてさえいればご主人の暴力は必ず止みます…

光を感じて生きる ー霊媒体質の方へー その2

都会の雑踏から帰宅すると、ドッと疲れが出る。そのようなことがあれば、あなたは霊媒体質かもしれません。 霊媒体質者は無意識のうちに他者のネガティブな思念の影響を受けたり、憑依されてしまったりします。ですから、人込みに居ることが苦手です。 最近…

光を感じて生きる ー霊媒体質の方へー・その1

霊媒体質の方と一緒に修行したことがあります。南無妙法蓮華経を唱える唱題修行です。 霊媒体質というのは、決して精神の変調とか疾患ではありません。オープンにしている人は多くはありませんが、程度の差はあれ、かなりの数の霊媒体質者がいるのではないか…

紀州に行ってきます

これから、和歌山県の白浜に行って一泊してきます。風光明媚な場所です。ですが観光で行くわけではありません。 ご依頼があって、霊的な問題を抱えている方と向き合ってきます。「霊的」などと言うと「いかがわしい」と思う人もあるでしょう。特に新宗教の問…

自信がなくても大丈夫?

オーストラリアでに「海外異文化体験」で生徒を引率したときのことです。生徒はそれぞれ一人で現地の家庭に宿泊しました。 多くの国々の生徒を受け入れた経験を持つホストファミリーのお父さんが「日本人の子を世話するのが、いちばん楽だよ」と言っていまし…

幸せについて・その2 ー 現世利益道から仏道へ ー

ブログ記事「お題目のすすめ ー13歳からの南無妙法蓮華経ー」で、ケンタのお母さんは、幸せの条件として、経済的な安定、健康、家族の仲が良いことを挙げました。 幸福の条件を問えば、多くの人がケンタのお母さんと同様、この三つを挙げるでことしょう。 戦…

幸せについて・その1

バブル経済の余韻が残っていたころ、生徒に、こんな質問をしたことがあります。 「君に生涯、毎日10万円をあげることを保証しよう。だけれど10万円を受け取るには条件がある。それは難行苦行をしろといったことではない。生涯、人と親密なコミュニケーション…

お題目のすすめ ー13歳からの南無妙法蓮華経ー   その5

キリスト教の神と仏教の仏を「同じようなものだろう」と思っている人が、案外多いようです。ですがそれは誤解。 「成仏」という言葉がありますが、一神教の国で「あなたも神に成ることができます」と言ったら大変なことになります。「成神」はあり得ません。…